私がマツクイムシ病に因んだの話をしようと思ったのは6月頃のことなのですが、するとマツクイムシ病が秋田県を北上し、やおら県境を脅かす事態にまでなり、県でも対策を練るなど東奥日報でも報道されるようになりました。そうしているうちに松井さんから「阿保さん、相当マツクイムシ病詳しいんだが!阿保さんがらマツクイムシ病の話聞げるど思わねがった。」と言われました。
実はマツクイムシ病にかこつけて違う話をしようと思っていましたものですから恐縮してしまいました。ただ、マツクイムシ病自体の話をちょっと申しますと本来東北地方にはない病気なのです。カミキリムシの類が松を飛び交って、それに寄生するセンチュウがいちばん問題で、カミキリムシが羽化するときに体に集まって気門に入り、カミキリムシが別の松に移動しかじったときに入り込んで居座り樹液を分泌できず、水を吸い上げる力を失ってどんどん枯れていくわけですが、本来北の方の寒い地域にはなかった病気なのです。地球温暖化や暖冬のせいかは判りませんが、だんだんと北上してきまして県境まで迫っています。深浦のあたりで第1次防除帯というので2qくらい伐採をしていましたが、松の木の持ち主が調査より増えていったために予定より1ヶ月長く伐採に要しました。11月には終わって今は第2次防除帯に手掛けていますが、これにも賛否両論ありましてカミキリムシそのものは生きている元気な木よりも枯死した木に卵を産め付けやすく、伐採した木もきちんと処理しないとそこにまたカミキリムシが寄って来るのだそうで、伐採が却って増殖すると反論する方もいるようです。私も樹木医でも何でもありませんのでマツクイムシ病についてはこの辺にしておきたいと思います。
さて、そのマツクイムシ病にまつわる話です。、平成11年か12年の頃の話ですが天皇陛下が公務で岡山県の山陽道を車で通ったときのことです。道路脇の木が多く枯れているのを見た陛下はお心を痛められ「この辺りは緑が痛んで木が枯れていますね。」とおっしゃられたわけです。実は当時、中国山陽にはマツクイムシ病が大流行で猛威を振るっていました。陛下もそれがマツクイムシ病だとはお気づきにならなかったようです。そのとき随行した農林水産大臣が「はい。直ぐにも対策を取りまして保全に努めます。」という旨を答えました。もちろん農相もマツクイムシ病だとは知らなかったろうし、ましてや前述のように防除や病気そのものの対処の仕様がなく有効な治療も対策もないとは自ら知る由もなかったでしょう。それを頭ごなしに岡山県知事に対して管理がなっていないだの直ぐ治せだ叱り飛ばしておきながら、さて、自分がしたことといえば結局何もできなくて「緑を大切に」だとか「自然保護」などと書かれた大きな看板を何基も設置して枯れた松を隠すことでした。これが対策といえるのでしょうか。これで人柄や資質が判るというものです。
話は更に変わって皇室の公務の中で天皇陛下は植樹祭、その植えた木を手入れする名目で行われるのが育樹祭で皇太子殿下の公務です。昨年、前JR青森駅長(現JR青森支店長)の小田島清博さんの計らいで職場訪問でJR青森駅を訪れたときに「お召し列車」が話題になったことを皆さんも記憶があると思います。
平成8年に栃木県で行われた第20回全国育樹祭には本来皇太子殿下が臨席されるべきところ、天皇陛下のご配慮かどうかは知りませんが皇室からは皇太子殿下に代わって紀宮清子(のりのみやたかこ)内親王(今は黒田清子様)がご臨席致しました。これには栃木県の方々は「他県はみんな皇太子様がお出でになるのに皇室とはいえ親王様では栃木県のの格が下がるのではないか」との声もありましたが、実際関係者や地元(現地)の方々はホッとしたそうです。と申しますのは、皇太子様と親王様では警備体制を始めお迎えの仕方が全然違うそうです。親王様に比べると皇太子様は物凄く大掛かりなものとなり、動員する人数や警戒もまるで違うそうです。ましてや天皇陛下であればなおさらです。因みにこの時は紀宮様は新幹線でお出でになったそうですが、親王様の場合は専用車両に1両だけが貸切になり残りの車両は一般客も乗るそうで、専用車両1両の入り口を警官が警備し真ん中辺りに紀宮様と宮内庁の侍従が座るそうです。これが皇太子様ですと更に前後の1両ずつ都合3両が専用車両になり、前後の車両から一般客が入れないようになるそうです。天皇陛下ですと全車両専用つまり「お召し列車」となるわけです。
警備の話でもう1つございます。平成元年といいますか昭和が64年1月7日で終わりました。昭和天皇ご崩御によるものですが、そのお葬式にあたる「大喪の礼」が平成元年2月24日新宿御苑で執り行われました。その時は各国から国王、大統領、首相、皇太子などの要人が参列のため来日しましたが、その参列のための各国政府の専用機、国際便チャーター機の着陸空港はすべて羽田空港にしたわけです。一般国際便と分けるためはもちろんですが、成田空港からですと遠いですし羽田空港からのほうが警備の面から考えても遥かに効率よく安全を確保し易いわけですから当然のことです。この羽田に着く国の方々は日本の警察の面子に賭けた厳重な警戒の元新宿御苑あるいは各国大使館など宿泊施設はいるのですが、国とは言っても大小さまざまあるわけで、とても政府専用機など持ち合わせない、チャーターもできない小さな国もあるわけです。結局これらの国の方々は要人といえども一般に混じって成田空港に来るわけですので、こうなるとはっきり言って警備の仕様がないそうです。さて、羽田に着いた要人の方々は首都高を通って夫々の目的地に到着します。警察も水をも漏らさぬ厳重さで警備しております。首都高そばのマンションの最上階にあるうちの奥さんが自宅のベランダに洗濯物を掛けていたところ、突然玄関のチャイムがピンポーンとなりました。玄関に行って「どなたですか?」と尋ねると「警察です。」と言うので何事かと思って聞いてみると、「奥さん、今ベランダのほうへ立たれましたね。お洗濯物か何かでしょうか。ですが今日は各国の要人がそこの首都高を通りますので特別警戒しております。特に今の時間はみだりにベランダにはお立ちにならないで下さい。」と言われ驚いたそうです。警察は道路を見下ろせるようなところはすべてチェックして人影などがないか厳重に監視していたわけで、たまたまベランダに立っていた奥さんがいたので直ぐに確認して注意しに行ったわけです。厳重かつ迅速な対応に舌をまいたそうです。
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