青森モーニングロータリークラブ 2011~2012年度 会報

創立1989年6月1日
会長     米谷 恵司
副会長    鈴木 唯司          例会場  青森国際ホテル  例会日  毎週金曜日 午前8時
幹事     工藤 一男          事務局  
〒030-0801 青森市新町1-6-18
副幹事    高橋 修一                         017-775-1821  FAX 777-9691
会報担当   阿保 康雄                        webmaster@aomori-mrc.org 
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平成24年6月15日(金) 第1091回例会 

点鐘   鈴木副会長
ソング  それでこそロータリー

出席と誕生祝い

ゲスト なし
オブザーバー なし
ヴィジター(敬称略) 中分区ガバナー補佐 加藤彰さん(青森北東RC

本日の出席率 20名中14名 70%
6月1日分確定出席率 20名中18名 90%

メーキャップ(敬称略) なし

誕生祝  なし

ニコニコBOX

ニコニコBOX 15名 9,000円

<ニコニコのコメント> 
・ 古賀さん、卓話楽しみにしています。(全員)
・ 一年間なんとかガバナー補佐をつとめてまいりました。御協力ありがとうございました。(加藤ガバナー補佐)

会長の時間 : 鈴木副会長
ご存知のように日本で初めて6歳以下のドナーによる臓器移植が行われました.臓器提供を承諾されたご両親のお気持ちを思うと何とも言いようが有りません.しかし臓器移植に携わった事のある私に取っては喜ばしいことでも有りました.臓器移植の成績はこのところ非常に向上しているようで、腎移植に関してですが、移植腎の生着率はほぼ100%に近く、正常の人に近い生存を得ているようです.この原因は免疫を抑制する良い薬、免疫を司るB細胞を抑制する薬なのですが、作り出された事に有るようです.
隔世の感があります。

幹事報告

・ 八戸北RCより、「インターアクト年次大会」のご案内。
期日 7月28日(土)~29日(日)
会場 八戸シーガルビューホテル
登録料 15000円
参加申込み クラブ事務局へ

・ 地区より、「職業奉仕・会員増強合同セミナー」開催のご案内。
日時 7月7日(土)13:00~
場所 青森市はまなす会館
登録締切 6月28日までにクラブ事務局へ

・ 地区より、「第11回日韓親善会議」開催のお知らせ。
日程 8月31日(金)~9月1日(土)
場所 グランドプリンスホテル新高輪
登録料 22,000円
登録 6月25日までにクラブ事務局へ

・ ロータリー米山記念奨学会より、ニュースレター「ハイライトよねやま」。(回覧)

その他


 卓話 「医界よもやま話」 古賀雄二会員 

5月の連休に長崎に行って参りまして、夜の思案橋に先輩に連れられて行き、二次会のスナックで、丁度有田の陶器市をやっているところだったのですが、ママさんが陶器、磁器のウンチクを語られて、その後私が磁器というのは南宋の時に優れた作品が作られ、磁器の中には網目模様のついたのがありますよね、その網目模様というのはまだ熱い磁器に水をかけて小さなヒビを作って出来上がる物だそうですが、当時の磁器の大家がどの時期にどの位水をかければ立派な模様が出来るか話し合いを開いたけれど結論が出なかった.こういう議論を水掛け論と言うんだと話しましたら非常に受けました.
 世の中にはどうでも良い事なんだけれど白黒はっきりしないことが結構有るもんで、結婚式の披露宴なんかでよく理想的な夫婦像を表す一つとして「お前百までわしゃ九十九まで共に白髪の生えるまで」と、今はもう言われないでしょうが、昔良く言われました.この言葉をよく考えた時に、この言葉というのは元々亭主が妻に言っているのか、妻が亭主に言っている言葉なのか皆様考えた事が有りますか.普通は「お前」と言うのは「お前さん」と敬語に近いので、今は僅かしか残っていない大和撫子が謙虚に一応建前として「お前さんが百まで、私は一歩下がって九十九まで長生きしましょう」と私は思っていましたが、皆様どうですかね.いろいろ調べてみるとそうでもないと。水掛け論じゃありませんが、昔から一歳年上の女房というのは金の下駄を履いても探せと言う程年上の女房を貰うと幸せな人生が送れると.それに則って言うと「お前百まで・・」と言うのは「一歳年上の女房は百まで自分は九十九まで共に白髪の生えるまで」と言う意見も有るんだそうです.ということで良く分からん.それはさておき、「お前百まで」というのは理想だったのですが、それが理想ではなく現実になり、今は百位はざらに居ますよね.あえてこの言葉を今の言葉に会わせると「お前百五十まで、わしゃ百六十まで共に白髪の生えるまで」その辺が本音の理想ではないかなと思う訳ですけれど、間違って長生きした場合果たして健康長寿で生きられるかという問題も有りますし、番狂わせ、奥さんが先に旅立たれてしまうのが六十代から増え始めるのだそうです。八十五歳になると三人に一人は終身の男性ということで、これから皆様長寿になったとき、私は不養生なので期待はしておりませんけれど、どうやって生きて行くかということをハウツー物、上野千鶴子「おひとりさまの老後」、「男おひとりさま道」とかを読むとなかなか面白いですよ.皆様幸せな人生を送っているかも知れませんが、人生何が起こるか分かりません.図らずも老人ホームに入ってしまった.この終の住処で村八分になった時には悲惨な人生が待っているんだそうです.老人ホームで幸せな最後を迎える為の五ヶ条です.昔話の聞き方(昔・話・(の)・き・き・かた)というのをお知らせします.
1. 昔の栄光 過去の栄光は聞かれるまで話すな.自分から話すんじゃない.
2. 話題が豊富 常に新聞を読み雑誌を読んで情報を沢山頭の中に入れる.話題豊富な人間でないと詰まらない、面白くないと言われる.
3. きれい 身だしなみや身の回りを綺麗にしておく.周りの人と楽しい付き合いをして行く.
4. 聞き上手であること.
5. 肩書き 肩書きと言う物は老人ホームでは通用しません.一番最悪なのは昔の肩書きを持ってきてその上に“元“と書いて渡すというのがそれだけでバツがつくそうですので、肩書きは通用しない.
よく考えてみるとこれが全てロータリーの世界の話じゃないかと私は思っています.
 最近「大往生したけりゃ医療とかかわるな〜自然死のすすめ」これ売れているそうですね.ベスト5に常に入っているようで、ミーハーの私も直ぐ取り寄せて・・読みません.目次を見て、5分位斜め読みしたらだいたい書いてある事が分かってしまった.人生は短く本は多いと言いますんで、だいたい分かった本の内容を読むのは止めたいと言う事です.要するに健康上手で来て、病気になった時にどういう風に対応して行くかという事なんですけ.このタイトルだけ読むと医療に関わるなと言う事なんですから、コレステロール、高血圧とか糖尿病に罹っても一切関わるな、医療から離れろと受けとるんじゃないかと私は思うんですけど、これはそういう事を書いてある本じゃないんです.高齢になってガンになった時どうするかという事しか書いてないんです.タイトルは竜頭蛇尾というか、看板に偽りありというか、いささか不満が有るタイトルですね.末期ガンになってガンが判明した時にどうするか、医療に関わるなという事が書いてあるんです.この本の設定というか理論を展開する為の大前提は人間は生まれた時にもうすでに天寿と言う物が有るんだと.事故だとか感染症等に関わって亡くならなければその人その人の天寿と言う物が有って、もし高齢になってガンになった時にはそれは天寿ガンと思いなさい.抗ガン剤で苦しい思いをしたり、大手術を受けても生存率が伸びる訳でもないし、それより美味しい物を食べて自然に亡くなりなさいという事の勧めがこの本のタイトルなのです.一般の人が見るとなるほどと思われるかも知れません.医学の中には経験に基づく医学が有り、昔はこういう医学がなされた訳です.医師の経験、裁量に基づいてやられる医学、これを経験に基づく医学と言っています.これは言ってみれば空海が加持祈祷で病気を治すと同じレベルの事なんですよね.これを果たして医学と言うかという問題が有ります.これを一段階レベルアップしたものが実験に基づく医学、これから近代医学になります.動物実験をやって効果を見て、それから人間に用いる.我々が常に目指しているのがエビデンス.科学的根拠に基づく医学をやらなければならない.そういう観点に立った時にこの本の内容にエビデンスが全く無いという事です.「科学は普遍的な論客である」、意味不明ですね.これを分解しますと、科学は「普遍的、論、客」であるとなります.普遍と言うのは普遍性、論と言うのは論理性、客と言うのは客観性で、この中に科学の三要素、必要条件3つが入っているのです.頭の引き出しから直ぐ出せないと知識ではないですから、引き出しやすいように語呂合わせをしておけば直ぐに出てくるのです.要するに論理的でないといけないのです.一義的な因果関係から言っている事なのです.AならばBである、ロータリアンなら寛容であると.一義的に分かるような言葉を展開して行かなければならない。で見てみますと、人間には生まれついての寿命が有る.どうでしょうね.人間の寿命はどんどん延びてきているんですよ.昔五十だった寿命が今は男性が八十、女性はもう八十を超えたと言う事で、人間に天寿が有る等という事は論理的でないですよね.客観性とは何か、難しいですよね.要するに主観を排除するという事です.また大往生の話になりますけれど.主観を大前提に持っている、主観だけで述べられた内容になっている.普遍性というのは何時、何処で、誰が同じ事をやっても同じ結果が得られるという事ですので、この3つの物を備えたのが医学.中村雄二郎さんという哲学者が書いた「臨床の知とは何か」という本は我々臨床医必読の書なんですけれど、その中に近代医学は論理性、客観性、普遍性の三本柱で発展してきたとはっきり書いてあります.こういうものに基づいたエビデンスの有る医療を我々は心がけている訳で、この中に書かれた自然死の勧め等というのは、正しい事を言っているのかもしれませんが、少なくとも科学ではないというのが私の結論です.確かにいろいろの名言がちりばめてあって、成る程とは思うんですが、これを医学と言って良いのかなと.今のガンの最前線というのはエビデンスの有る物が少ないんで、所謂ガン難民と言われる人が多く、こんな本が出てくるのも世相を反映しているのかなと思います.医学は進歩しているのです.日進月歩と言う言葉が有りますが、今は秒進分歩の時代でして、天寿の本の中で展開する中では、八十五歳以上で見付かったガン等は既に転移があるのだから今から治療したって助かる見込みは無いんだと言う事なんですが、例えば膵臓ガンひとつをとってみても、唾液検査、唾液メタボロミクス解析というパイロットスタディで有効性が確認されまして、膵臓がんの早期発見が出来る時代がそこまで来ているそうです.私の分野の話をしますけれど、30年以上皮膚ガンの治療に携わってきまして、私の分野で言うならば、大往生したければ生きろ、徹底的に関われというのが私の持論です.皮膚がんというのは直ぐ見えるんですけれど、何か以上が有ると皮膚科あるいは形成外科に行くと直ぐ診断がつくし、手術によって治癒率は5年経って肉眼的再発が無いのは90%以上で、ほとんど助かる.上皮内ガン(皮膚ガン)は周りにも浸潤してないし、転移もしてないし、早い時期に見付かるし、おとなしいガンなんですよ.手術してしまえば治るのが圧倒的に多いんです.八十歳であろうが直ぐ来て頂ければ大往生出来るんです.直ぐに取ってしまえば治るんです.ガン細胞をくっつけている物質が有るんです.カドフェリンと言うんですけど、そのカドフェリンの濃度が非常に高い細胞が多いんです.ガン細胞でもパラパラと離れる事が無いのでほとんど転移する事も無く早いうちに治療すれば治るんです.
 健康長寿については学会とかいろいろ有るんですけど、この飽食時代に低栄養の人が高齢者を中心に多いんだと、要するに栄養が偏っていて蛋白質も取れていない.煮魚だけを食べているオバアちゃんとか居るんです.人間の体は蛋白質で出来ているんで、蛋白質をちゃんと取らないといけないんです.それがどの位かと言いますと、採血してアルブミンとヘモグロビンを見るとどういう生活をしているかが分かるんです.アルブミンは4.0以上を維持するようにしましょう.第一目標は3.5mg.これを切ると死亡率が5倍以上になるんです.だいたい患者さんを診て虚弱者はアルブミンが低いんですね.食事の改善を図る.具体的にどうすれば良いか.“ためしてガッテン”で出たのを私なりに並べ替えたのです.肉(鶏肉)、牛(牛肉)、魚、卵(卵白)、油(オリーブ油等)、海(海藻)、大(大豆)、果(果物)、菜(黄緑色野菜).油を中心に左に動物性蛋白、右は植物性蛋白です.朝起きて一日の食事はこれだけ揃っているか、一日でこれだけ取ったか、一週間のうちに万遍なく取れたかと見ながら食事をすると健康長寿にたどり着く一つの方法になるかも知れません.
 おまけに、エビデンスの話をしましたけれど、街でいろいろな情報が氾濫していますが、我々はその情報を批判しながら吟味して行く事が大切ですけれど、例えば今ヒアルロン酸を口から取って膝の痛みを押さえるというので売れていますが、あれは医学的にはエビデンスは無いのです.効くと思って皆様飲んでいますが、薬学の先生に言わせますと、あれは口から取ると血小板に作用してケミカルメディエーターを放出させて痛み止めの効果がちょっとある、 効いた気になるそうです.それなら整形外科で消炎鎮痛剤を貰った方が良いですよね.ヒアルロン酸を飲む必要は無い.ヒアルロン酸が膝に到達する訳が無いので騙されないように.磁気が肩こりに効くかどうかアメリカで大規模な治験を行って結論は効かないという事です.あれも高いお金を払って無駄な抵抗をしているんじゃないですか。漢方がはやりだした頃“サイレイ湯”というのが流行って(膝の痛みに対して)積極的に処方されたんです、10何年か前ですけれど.今アメリカが先頭を行っているんですが、(漢方に対する)大きな基礎研究、臨床研究を行っているんです.“サイレイ湯”が変形性質関節症に効くかという大規模試験をやったんです.結果は例によって効かない.皆様のご存じない事が沢山有ります.
 それでは皆さん“肉(ニク)、牛(ギュウ)、魚(ギョ)、卵(ラン)、油(ユ)、海(カイ)、大(ダイ)、果(カ)、菜(サイ)”を守って健康に過ごして下さい.

カークスビルRI会長
第2830地区
小山内康博ガバナー
青森モーニングロータリー
クラブ会長 米谷恵司
  • 不易流行
 会報作成者:鈴木 唯司